一休の風狂
好き好き好き好き好きッ好き~一休さんの一休さんにも違う一面があったようで、びっくりするような詩もありますが、ちょっとおとなしめの詩を紹介します。
山居
茅屋三間起七堂
狂雲風外我封彊
夜深室内無人伴
一盞残灯秋点長
「読み下し文」
茅屋(ぼうおく)三間 七堂起つ
狂雲 風外 我が封彊(ほうきょう)
夜深き室内 人の伴なう無く
一盞の残灯 秋点長し
「現代語訳」
茅屋三間の小寺でも(自己本来の光を見つめると)七堂伽藍と同じじゃ
狂雲と名乗る儂は、俗風さわぐ圏外に自己の世界を持つ
夜ふけの室内は(虚堂山の名にふさわしく)誰もおらず
一皿(さかずき)の残灯がともり(大灯国師の禅を守って)秋の夜長を過ごす
この他、盲目の美女森侍者にまつわる漢詩、美人の淫水を吸うなどいくつかあります。
(参考:蔭木英雄『中世風狂の詩』)