渡辺香津美
YMOの70年代末海外ツアーに渡辺香津美が参加したのは有名ですね。ライブ盤のレコードが出た際に渡辺のギターのトラックはカットされて代わりに坂本がシンセを弾いたエピソードもありました。
確かあの時は渡辺が不満を言ったと思います。そのあとの顛末はよく知りません。YMO側は無視したんでしょうね。何事も無かったように、坂本は渡辺らとバンド(KYLYN BANDとか言いましたっけ?)を組んでライブ活動もしてたと記憶しています。
もう30年以上の前なのでサウンドどうこうはどうでもいいです。YMO側とすれば、「東風」とかのギターソロのときにフュージョンっぽいアドリブを弾いたので、フュージョンに慣れた海外の観衆にはウケたという事実はあったにしろ、YMOのコンセプトに合わない、単なるツアー要員でしかない、という考えだったのだろうと思います。レコード会社が違うとかいう建前はあったかもしれません。
肝心の「東風」のギターソロはどうかというと、あまり感心できません。フュージョンのどこかで聴いたアドリブをつなぎ合わせたテキストのようなプレイだと思います。ジャコのレコード化したアドリブそっくりの部分もあります。元々渡辺のプレイはコピペみたいなアドリブが多いので驚きません。
渡辺香津美のピークは70年代半ばの渡辺貞夫グループに参加している時だと思います。フュージョンに転向する直前です。大げさな言い方ですが、ジャズギターの極限まで行っていました。
FMから流れてきたナベサダグループのスタジオライブは圧倒的でした。前衛とは違って先鋭的なプレイでした。音源は残っていないようなので何十年も聴いていません。(いくら検索しても出てきません)フュージョン転向した時は非常に残念な気持ちがしました。
ジャズだけで勝負すればパット・メセニーなど目じゃありません。フュージョン化されたギタープレイではジャコグループのセッションでもYMOのツアーでも一流じゃありません。