草月ホール
草月ホールは後年知ったんですが、かなり実験的な芸術の場でもあったそうですね。1956年ごろ建立されたとすれば50年代60年代の最先端の人々が集っていた、と。
ぼく個人での感覚はちょっと違います。うちの狭い庭から草月のガーデンを見た感じはもっと具体的でした。三善晃のヴァイオリンソナタを聴くと草月の裏のガーデンを想い出します。それに隣接していたCマンションの雰囲気も加味され昭和を連想します。
昭和と言えば西田佐知子の「くれないホテル」を聴くと草月の隣にあった豊川旅館、これを連想します。くれないホテルに登場するホテルはもう少し後の幾分洋風なホテルだと思いますが、そんなことはどうでも良くて、ホテル(温泉マーク)の建物というのはどこか裏さびしいものがあります。
西田佐知子 くれないホテル
不思議なもので武満徹を聴いても草月を連想しません。まだ黛敏郎のほうが感覚としては近いです。
昭和31年に建てられた草月会館はその後(昭和53年)に新築されたものと大きく違います。
1960年代当時の映像は安部公房原作「他人の顔」勅使河原宏監督の映画をDVDなどで見てください。ラストシーンでぞろぞろとエキストラが大勢出てきますが、その建物がそうです。