バンド ①
昭和53年ごろジャズ雑誌でメンバー募集をしました。クロスオーバー志向みたいなことを書いたと思います。電話がかかってきたのは、後年有名サックスプレーヤーになったIとか、やはりサックスですが、Nさんという人です。二人は縁がなかったようです。
ぼくはギターでしたのでベースやドラムの応募をより望んでいました。ピアノやフルートも来ました。二人は女性です。ベースとドラムは男性二人です。
渋谷のはずれにあるヤマハのスタジオで5人でセッションしました。「枯葉」やブルースの循環コードを弾いてフルートやピアノの人にアドリブを演奏してもらおうと思いました。
いざとなるとなかなかアドリブが出てきません。ピアノやフルートは楽曲を楽譜通りに演奏できてもアドリブまではできない様子でした。
ピアノの子とドラマーはうちにも遊びにきて部屋で軽く合わせたことがあります。うちにアップライトピアノはありました。ピアノの子はウィントン・ケリーが好きだとか言ってました。
ベースとドラムとは別の日にもセッションしました。渋谷からバス停3つ目ぐらいのところに、山手通り沿いの小さなビルがありました。ビルの屋上に小屋みたいなのが建っていて、そこがスタジオの代わりです。
集中してやったのはジャコの「十代の町(Teen Town)」でした。ベーシストがなかなかの腕でジャコのあの難しいソロの部分を何とか弾きこなしました。ギターはユニゾンのところ以外はコードです。キーは忘れましたが、13thのコードがずっと続きます。
ヴァイオリン奏法を用いました。キーボードの代わりにギターで13thのコードを押さえて、ボリュームペダルを使ったか小指でボリュームつまみを回したか、忘れましたがともかく演奏しました。
このメンバーのセッションはそれきりでした。いっぱいいっぱいな感じでしたので。