働く女性
昭和53年ごろ、印刷会社からチームごとコンピューターのメーカーに出向しました。チームの人たちはみんな年上です。リーダーが昭和22年生まれEさん、部下が25年生まれ男性二人です(名前は忘れました)。あと当時派遣という言い方があったかどうかわかりませんが、女性二人は23年生まれKさんと24年生まれNさんでした。
ほとんどの人は職業訓練校出身ということでした。おそらくプログラムとかシステムエンジニア的なことを勉強してきたのだと思います。
リーダーのEさんはいつも前の晩の酒が残っていて酒臭かったです。当時30ちょっとなのに50ぐらいに見えました。Eさんは女性スタッフのKさんを煙たがっているようすでした。
Kさんはぼくが入社したとき彼女も新規契約で数日遅れて入ってきました。デスクが真ん前で、6歳も上ですが同期のような存在です。それで出向チームに加わったのです。
Kさんが昼休みに銀座に肉料理を食べにいかない?と誘ってきました。ビフテキで有名な店でランチ限定で500円で食べられるから、というのです。
当時ワンコインという言い方はしなかったと思いますが、500円でビフテキが食べられるならと一緒に出掛けました。銀座ですから昼休みの1時間以内で戻ってこれます。
Nさんとたまたま帰宅時間が同じのときに彼女が囲碁クラブに通っていることを聞かされました。新宿なので一緒に行ってみると、歌舞伎町への入口の雑居ビルの2階に囲碁クラブはありました。囲碁客は見渡すとほとんどオジサンばかりで、20代の女性が加わるのは変わった光景でした。
Nさんはそのころ流行りのオセロも得意でぼくなどは到底かないませんでした。やはり理数科系の女性なんだなと思いました。
そのうちKさんが辞めさせられたと聞きました。ぼくからかKさんからか電話で連絡を取ってある日の夕方渋谷で会いました。名曲喫茶「らんぶる」で会社への不満とか話しました。「らんぶる」は天津甘栗の裏にありました。ぼくの口からも慰めにもならないことを喋ったと思います。Kさんは引っ越しの話をしていました。当時中目黒あたりに住んでいて自分でリアカーを引っ張って近所に引っ越したと話してくれました。
気晴らしにゲームでもしようと、喫茶店を出て渋谷センター街のゲームセンターへ行って1時間ぐらいゲームに熱中しました。