Anne Gastinel Bach Franck
6年ぐらい前か渋谷のタワレコでサイン握手会があった。アンヌ・ガスティネルというチェリストだ。ミニコンサートもあって前から2列めの至近距離でチェロの演奏を聴くことができた。フランス人だが、外見はハンガリー人かチェコ人のようにやや骨太で小柄な人だ。ピアニストのクレア・デザートはいかにもフランス人という感じ。
アンヌのチェロは柔らかな音色だが、ブレがない。
曲目は細かいところは忘れたが、ドビュッシーとフランクを弾いたと思う。ちょうどその時買ったCDの収録曲もドビュッシーとフランクとプーランクである。
肌寒い日だったが、フランス人に会うのにコート姿では失礼だと思ってブレザーを着て出かけたので風邪をひいてしまった。
Anne Gastinel "Sarabande de la 3ème suite" de Jean-Sébastien Bach | Archive INA
そうこさんの紹介もあってバッハの無伴奏を聴いてみると音がいい。もってまわったような表現は抑えられている。とかくバッハの無伴奏というと威厳のある、まあ荘厳さはあってもいいのだが、表現過多になり大仰になりがち。
そこはやはりフランス人、軽やかさもあり音色の良さもある。松脂が飛ぶような表現は抑えられている。
あとピーター・ウィスペルウェイのバッハもテンポが速いが尾っぽが短いので有難味が少ない。ウィスペルウェイは音程が良くテクも抜群だが、上手すぎてちょっと敬遠してしまうところがある。だがブラームスはかなり上手く弾いている。
Anne Gastinel & Claire Désert : Franck, Debussy, Poulenc
ドビュッシーのチェロソナタは70年代末に小石川図書館で借りてカセットに録音した思い出がある。ERATO盤のトルトゥリエとユボーのものだった。
出だしのピアノがそのころ聴いていたキース・ジャレットを想起させてクラシックでも親しみを感じるものだった。
カセットは知り合いに貸して返ってこなかった(笑)まあでも親近感は失わず、ガスティネルによって再び甦った。
余談だが、ガスティネルは1971年10月14日生まれ。星座の分布を見ると金星のさそり座以外9個の惑星が男性宮だ。外見も小柄ながらボーイッシュな印象だった。短髪のせいだけではない。