昭和レトロな赤坂の思い出

昭和レトロな思い出を書きます。主に赤坂中心ですが、東京近郊にわたると思います。
趣味の話も書くつもりです。

少年探偵団

 「ぼ、ぼ、ぼくらは少年探偵団」という歌声は遠い昔のことなんでしょうか。低音の進行が妙に魅力的で高揚感があります。戦後15年ぐらいの幅でヒーロー物のテーマ曲は軍歌に近いものがあったと思います。
 東映の「少年探偵団」シリーズは昭和31年ごろで怪人二十面相役は南原伸二(宏治)や加藤嘉のように個性的な俳優が為っています。
 少年探偵団の子役の中には風間杜夫に似た子もいますが、別人のようです。
 明智小五郎の事務所は麴町にあったという設定です。少年たちは麻布や世田谷、渋谷あたりに住んでいました。
 映画には出てきませんが、本の『影男』には代々木の原っぱという表現があります。そこのとある地下に秘密クラブがあるというわけです。本当に代々木あたりに秘密クラブでもあるんだろうかと読みながらワクワクしたのを覚えています。
 いずれ大人になったら秘密クラブに行ってみたいと思っていました。

「月光仮面」~「恐怖劇場アンバランス」

 映画版の「月光仮面 怪獣コング」には藤井珠美という子役の女の子が出演しています。共演している同じ子役の松島トモ子より自然な感じです。


 この人は大人になって「恐怖劇場アンバランス」の「夜が明けたら」にも夏珠美の名前で出演しています。西村晃の娘役ですが、新宿が似合うオネーサンという感じです。奥村チヨに似ていてコケティッシュですが、奥村チヨより美人です。


 歌手役とはいえ浅川マキがドラマ出演するにふさわしいアンダーグラウンドでフーテンの生き残りが出没してそうな設定の中でも、さすが団塊の世代の夏珠美さんという雰囲気を醸し出しています。



 だからと言って巷の団塊世代がみんな月光仮面を懐かしがるわけではないようです。テレビがやってきた年にどう暮らしていたか、どこに住んでいたかによって受け止め方は違うようです。VHSのビデオが登場したころ、昭和23年生まれの人に月光仮面(テレビ版)の映像を見せたところ、軽く拒否されたことがあります。
 もう少し下の世代のほうが月光仮面に夢中になったと言えるかもしれません。団塊世代は月光より鞍馬天狗や赤胴鈴之助に興味を持っていたかもしれません。


 ドラマで夏珠美はサイケデリックなムードのゴーゴー喫茶の常連のようでした。実に素敵なオネーサンです。ライブで浅川マキが歌っている貴重な映像もあります。
 想い出しましたが、夏珠美と同世代のザ・モップスの鈴木ヒロミツも月光仮面の歌を歌っていましたねw

「月光仮面」テレビ版 続

 月光仮面の悪役女優に深川きよ美という人がいました。美人ですが毒っ気がある感じで小柄ながら悪党一味をあごで使う貫禄がありました。おそらく昭和一けた生まれだと思います。
 ハンチングの由というチンピラ役の俳優さん(お名前失念)も味がありました。この人は大正生まれだったと思います。サタンの爪の俄か部下ですが、祝探偵が遣わした探偵スパイでもあるのです。「尊き犠牲者」という回はハンチングの由が大活躍します。もしや浅草の芸人さんかと思ったりもしましたが、確か九州出身の関西系のコメディアンだったと思います。
 ハンチングの由は深川きよ美さんらと外車に同乗し、「月光仮面」と言いそうになってあわてて「月給いただけませんか」とか言うのです。昨今あまり月給という言葉は遣わなくなった気がします。
 国電「有楽町」駅周辺でロケをしたりしていますが、同じエキストラの人が何回も出てくるのはご愛嬌です。
 BGMも味があって弦楽アンサンブルにフルアコの電気ギターや管楽器もからみ実に音楽的に真面目な印象を受けます。
 これはテレビ版の話ですが、先日の麻布今井町のお屋敷は映画版でした。さらに映画版には赤坂氷川神社も出てきます。今井町と氷川神社はかなり近所だったりします。

月光仮面 テレビ版

 月光仮面のテレビ版は第一話めには間に合いませんでした。うちは昭和34年の美智子さん婚礼に合わせてテレビを買ったからです。第一話は昭和33年の2月だったと思います。

月光仮面 主題歌



 後年DVDで見ると東京タワーの建築途中が画面に写っています。これは赤坂の薬研坂の上から見えた東京タワーと同じです。ぼくが見たのは肉眼ですが、かなり距離があるのに、ビルなど視界を遮るものが無かったということになります。まだ4歳ですからそんなに背も伸びていません。



 祝十郎探偵事務所は芝白金今里町付近にありました。それはさすがに現役では知らない事実です。後年本などで知ったのですが、制作の宣弘社社長の当時の自宅を撮影に使ったようです。芝と言っても現在はれっきとした港区で白金台ですね。ただ昔の地名だと白金三光町とか白金今里町とかすぐに判りますが、白金台とかでは却って判りにくいと思います。



 目黒通り沿いに「白金台」の駅が近年できたように思います。直角にぶつかる外苑西通りのことをプラチナ通りと呼ぶんでしたっけ?白金三光町に古くから住んでいた人から見れば苦笑ものかもしれません。


 昔の表札には芝白金とか赤坂青山南町とか麻布今井町とか記してあったと思います。今でも時々ポツンとそういうおうちがあったりするとホッとしますね。麻布今井町は月光仮面の悪党サタンの爪に誘拐される科学者のお屋敷があったと思いますが、記憶違いでしたらゴメンなさい。

「透明人間と蝿男」

 大映「透明人間と蝿男」(昭和32年)という映画は第六天町がロケで使われています。


 え?どこ?という人が大半でしょう。
 近年は丸の内線の「茗荷谷」駅と「後楽園」駅の間に小石川検車区(現在は中野検車区小石川分室)があって旧大蔵省第六天町宿舎との間に挟まれた道路になっています。


 昭和32年当時「赤坂見附~御茶ノ水~池袋」に丸の内線を敷くべくすでに工事は整えられていたもようです。
 「茗荷谷」駅は春日通り沿いなので自然と高架みたいな形になるため、その下の道路を通るにはトンネルをくぐらざるを得ません。
 トンネルの真上は小石川検車区(中野検車区小石川分室)です。



 トンネルの下の道路のシーンは二度出てきます。
 道路が東西だとすると南側は切支丹坂、北側は階段になっています。
 階段を上り、ちょっと行くと小石川4丁目交差点ですが、そこは春日通りです。


 階段は庚申坂という名前だそうです。昔この階段を上ってよく小石川図書館に通いました。


 映画でも二度めには刑事が途中まで駆け上ります。そしてまた階段を駆け下りるのです。
 切支丹坂からのアングルもあり撮影陣はよほどここが気に入っていたようです。


 実はぼくも1980年代に自主映画制作のため8ミリカメラでここを撮影しました。単に気に入った場所だったからです。映画でロケに使われていたなどと知らなかった時期です。


 このトンネルを見たい方は「茗荷谷」駅南口から線路づたいに東方面へ歩けば2、3分で行けます。
 あるいは有楽町線の「江戸川橋」駅から神田川沿いに巻石通りを行って、
小日向という交差点を左に、ちょうど小日向交番が角にありますからそこの路地を入ってください。