昭和レトロな赤坂の思い出

昭和レトロな思い出を書きます。主に赤坂中心ですが、東京近郊にわたると思います。
趣味の話も書くつもりです。

漢詩を作る

 漢詩の作り方の本はいくつか出ています。ぼくは昭和の終わりごろ興味を持っていろいろ本を当たってみました。


 出来がいいか悪いかは別として思ったほどは難しくありません。のでちょっと作例を挙げます。


 觀蓮


 圓蓋餘薫煙霧披
 佳人粉頬倚欄時
 暗香涼味風生腋
 波面淸漪不忍池


 「読み下し文」
 圓蓋(えんぐわい)餘薫(よくん)煙霧披(ひら)く
 佳人(かじん)粉頬(ふんきょう)欄に倚(よ)る時
 暗香(あんくわう)涼味風腋(わき)に生ず
 波面淸漪(せいい)不忍池(しのばずのいけ)


 圓蓋=蓮の葉
 餘薫(餘香)=残るにほひ
 煙霧=けむりときり
 披く=分かつ、散る、裂く
 佳人=美人
 粉頬=おしろい
 暗香=目に見えぬ香り
 淸漪=きよらかなさざなみ


 「現代語訳」
 蓮の葉が匂いを残して霧を散らせた
 白粉をつけた美人が欄干にもたれかかった時
 どこからともない香りと涼し気な風を腋に感じた
 水面は清らかなさざ波の不忍の池だった


 平仄は七絶仄起格で本来、
 ◐ ● ◐ ○ ◐ ● ◎
 ◐ ○ ◐ ● ● ○ ◎
 ◐ ○ ◐ ● ◐ ○ ●
 ◐ ● ◐ ○ ◐ ● ◎
 です。上に挙げた作例の平仄は
 ○  ●  ○  ○  ○  ● ◎
 ○  ○  ●  ●  ●  ○ ◎
 ●  ○  ○  ●  ○  ○ ●
 ○  ●  ○  ○  ●  ● ◎
 です。


  平=○ 仄=● 韻=◎ ◐=平でも仄でもどちらでも良いですが、教則本によって多少違いがあります。
 
 韻(◎)は四支で披、時、池です。三句めは轉句なので韻を踏みません。
 なお、四句めの不忍池は白藕池でもいいと思いますが、藕(ぐう)は蓮の根のことを言うので適さないかもしれません。


 漢詩に興味を抱いたきっかけは日夏耿之介詩集のあとがきに阿藤伯海のことが書いてあり、明治とか現代の人でも漢詩を作れるんだと知った時です。


 参考文献はいろいろ当たりましたが、主なものを挙げておきます。
 『漢詩入門』石川梅次郎、『詩語辞典』河井酔荻、『詩語集成』川田瑞穂、
 『漢詩入門』斉藤晌、『漢詩作法』坂田新、etc
 他にもたくさん出版されています。実物を見てご自身に合った本を探してください。



 話は全然違いますがレンコンは美味いですね。50過ぎたころにやっとレンコンの美味さを知りました。通じにもいいです。

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