永青山の廃寺 絶海中津
絶海中津(ぜっかいちゅうしん1336-1405)は土佐の人。天竜寺の夢窓疎石に侍し、その高弟・春屋妙葩(しゅんおくみょうは)の薫陶を受けた。
33歳で明に留学。『蕉堅藁』(せうけんかう)は中津自ら厳選した。
『蕉堅藁』より「永青山の廃寺」を紹介します。
永青山廃寺 永青山の廃寺
永青山裏古禅林 永青山裏の古禅林、
満目蕭条枳棘深 満目蕭条(せうでう)として枳棘(ききょく)深し。
不識何人行道記 識(し)らず 何人の行道の記ぞ、
蛟竜欠落臥花陰 蛟竜は欠落して花の陰に臥す。
永青山裏=西湖志三に、永清塢にある永清庵のことが載っているが未詳。
満目蕭条=見わたすかぎりものさびしいさま。
枳棘(ききょく)=からたちといばら
行道の記=この寺で修行した或る僧の伝記。
蛟竜(こうりゅう)=上部に竜を彫った石碑。
(参考:岩波書店)