ドロボー!!
台町の家で夕方くつろいでいる時でした。縫い物をしていた祖母がふいに起ちあがって庭に向かって
「ドロボー!!ドロボー!!」と叫びました。あまりに急で予行演習みたいにリアルさが無かったので唖然としました。
やはり本当の泥棒だったのです。塀からうちの庭に飛び降りたところを祖母に大声を上げられ怯んだようです。また塀を上り逃げたようです。
祖母の咄嗟の判断はすごいなぁと感心しました。距離によっては逆に凄んでくる可能性もなくはなかったでしょう。まだ庭に飛び降りたばかりで大声をしかも具体的にドロボーと言われれば泥棒は逃げるしかないのだろうと思います。これが「キャーッ!」とかだったら居直ったかもしれません。祖母は距離があったので、度胸が発揮できたんだろうと思います。
その数日前から近所で泥棒が出没する噂があったそうで、取り締まりを強化し、捜査を俊敏に行って後日泥棒を捕まえたという話を聞きました。
それにしても祖母は耳が遠かったはずですが、昭和30年代の終わりごろはまだ耳が聞こえていたのか、後年の耳が遠いのが都合つ〇ぼだったのか未だに判りません。