下北沢 ジャズ喫茶 続々
昭和48年か49年、Kと一緒に下北沢「シェルブール」で聴いた「リターン・トゥ・フォーエバー」というアルバムは清新な印象を持ちました。
全体的にはボサノバっぽいのですが、もっと感覚的でフローラ・プリムの淡い妖艶なヴォーカルは楽しめます。チック・コリアのフェンダーローズピアノはジャズっぽいのですが、開放的な雰囲気が散りばめられていて斬新でした。「クリスタル・サイレンス」ではジョー・ファレルのソプラノサックスが70年代初頭の時代の移り変わりを表現しています。
Chick Corea:Crystal Silence
「クリスタル・サイレンス」は別にゲイリー・バートンとのアルバムがあります。こちらは新宿のディスクユニオンで聴いたのか、小石川図書館で借りて聴いたのかうろ覚えですが、図書館はもう少し後なので、最初はディスクユニオンの地下で偶然聴いたと思います。
Chick Corea and Gary Burton - Crystal Silence
ゲイリー・バートンのヴァイブラホンは不思議な浮遊感が漂っています。フェンダーローズに乗ったジョー・ファレルのソプラノ・サックスと比べると、チックもアコースティックピアノになり、より内面的なそれでいて風景をあざやかに映し出す、心象風景の研ぎ澄まされた美の頂点と言った感じです。
だからといって堅苦しいわけではなくフォークロック的な温かさも漂っています。いつでも原点に立ち返ることができる音楽です。
後年、LPを買ったのはゲイリー・バートン盤のほうです。