涼州郊外遊望 王維
王維は699年の生まれで、李白より2歳上です。
「涼州郊外遊望」という詩を挙げてみます。
涼州郊外遊望
野老才三戸 野老(やろう) 才(わずか)に三戸(さんこ)
邊村少四鄰 辺村 四隣少なし
婆娑依里社 婆娑(ばさ) 里社に依り
簫鼓賽田神 簫鼓 田神(でんしん)に賽(さい)す
灑酒澆芻狗 酒を灑(そそ)ぎて芻狗(すうく)を澆(ぬ)らし
焚香拜木人 香を焚きて木人を拝す
女巫粉屡舞 女巫(じょふ) 粉(ふん)として屡しば舞えば
羅襪自生塵 羅襪(らべつ) 自のずから塵を生ず
婆娑=舞う時の姿を形容する語。
芻狗=草人形の犬。祭りの供物にする。
羅襪=薄絹の靴下。
絹の靴下
五本指の靴下を履くとワンちゃんが吠える。
夏木マリ
現代語訳
田舎のじいさまの住居はたったの三軒で、
辺境の村のこととて隣近所もほとんどない。
村の社ではしゃなりしゃなりと舞姿。
笛や太鼓で田の神様の秋祭り。
お神酒をそそぐとて草人形の犬をぬらし、
香をたいてご神体の木像を伏し拝む。
巫女がせわしなく何度も舞うと、
絹の靴下は自然に塵をまい上らせる。
(参考:岩波書店)