昭和レトロな赤坂の思い出

昭和レトロな思い出を書きます。主に赤坂中心ですが、東京近郊にわたると思います。
趣味の話も書くつもりです。

鳥人間コンテスト スカイダック SKY DUCK

 遠くに私鉄駅の「駒沢公園」の字が見える。路地を歩いていたらちょうどバスターミナルのところに出たわけ。足も疲れたし、バスがガラガラだから乗ってみよう。


 懐かしいシートだ。今は全席前向きがほとんどだが、このバスは中ほどから後ろは向き合って座る昔風のシート。両手が伸ばせて解放感がある。


 バスが動き出した。いきなり路地に入っていく。停留所があるのかな?
 幹線道路ぎりぎりの路地を行くんだ、路線バスに時々あるパターンだな。駅から足の便が悪い住民に配慮した路線か。
 途中1個停留所はあった。一人だけ乗った。バスは発車したが、
 さっきのバスターミナルに戻ってしまった。


 なるほどそうか。バスターミナルが狭いのでUターンできず、いったん路地に入ってぐるっと回って来たんだな。終点+1=起点ということになる。


 おざなりの停車時間は1分程度だった。やっと出発進行だ。
 バスは小高い丘を疾走し出した。駒沢公園に丘なんてあったのね。


 でも久しぶりの路線バスの旅。今流行ってるしなぁ。


 タイヤが砂利を轢く音が聞こえる。何だよ、舗装されてないのか、ここは。


 海が見える。てことは大井ふ頭だなたぶん。


 ちょっ、海水浴場じゃないか。大森海岸という言葉は聞いたことがある。海苔の産地だ。


 80年代から90年代、大森の海苔はうちでよく食べた。焼き海苔がパリパリしてておいしかった。もしかしたら浅草海苔より美味いかも。お中元お歳暮にも10回ぐらい利用したことがある。大森海苔問屋街も散歩したことがある。



 気づいたら、ぼくが運転席に座っていた。海水にじゃぶじゃぶ入っていってるよ。海水浴の子どもたちがギャーギャー笑いながらこっちに手を振ってる。


 やいやいバスの軌道だからしょうがないだろ。


 てことは水陸両用バスか。スカイダックだったんだな。あれは確か浅草とか下町を巡回するのと、横浜のみなとみらいを巡回するのがあったはずだ。何と大森にも開設したのか。
 こりゃめでたい。


 しかもトロリーバスだ。だから海岸に近いところでも走れるんだ。


 トロリーバスは昭和30年代はよく見かけた。渋谷に着くころ宮益坂を下りていくと、バスから見えた。国電のガードをくぐって明治通りを左折するトロリーバスを何度か見たことがある。池袋駅行きだった。


 トロリーバスは無軌条電車のカテゴリーだから電車なのだ。だけど路面電車と違い軌道を敷設する必要がないし、重いバッテリーを搭載しなくてもパンタグラフで通電してどこまでも走れるのだ。


 海水浴客は笑いながらぼくの運転するスカイダックに轢かれていく。


 つーかさっきから気づいてたんだが、足こぎだよ。何だ電動アシストチャリじゃないか。外枠だけ水陸両用バスだが、実のところペダルとスクリューが繋がっていてずっと漕いでいなきゃいけない。バスの格好した張りぼてだ。


 ミヤネ屋の鳥人間コンテストが頭をよぎった。


 海岸から丘にのぼって目が覚めた。




 昨日の朝方見た夢です。

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