亀児が詩を詠ずるを聞く 白楽天 柏木如亭
白楽天の詩を柏木如亭が訳したものを挙げます。
聞亀児詠詩 亀児が詩を詠ずるを聞く 白楽天
憐渠已解弄詩草 憐れむ 渠(かれ)が已に詩草を弄することを解するを
揺膝支頤学二郎 膝を揺がし頤(あご)を支へて二郎を学ぶ
莫学二郎吟太苦 学ぶ莫れ 二郎が吟に太(はなは)だ苦しむを
年纔四十鬢如霜 年纔(わづ)かに四十 鬢(びん) 霜の如し
〈柏木如亭譯〉
憐(かあい)や渠(あれ)は已(いつか)詩草(し)を弄(つくること)を解(おぼ)えて
揺膝(びんぼゆすり)をしたり支頤(ほゝづゑをつい)たりして二郎(おれ)を学(まね)る
二郎(おれ)が吟(しをつくる)に太苦(なんぎす)るをば莫学(まねやる)な
年は纔(やうゝゝ)四十だが鬢(びん)は 如霜(まっしろになった)
電動貧乏ゆすり機
亀児=自評に白楽天の子とあるが、正しくは楽天の甥。
かあい=かわいい
渠=彼
揺膝支頤=苦吟搆思のさま
びんぼゆすり=貧乏ゆすり
二郎=楽天
頬杖
(参考:岩波書店)