昭和レトロな赤坂の思い出

昭和レトロな思い出を書きます。主に赤坂中心ですが、東京近郊にわたると思います。
趣味の話も書くつもりです。

深夜パーティー兼セミナーでバッタリ会った

 ぼくがそのセミナーに出席した理由はよく覚えていません。人間と会話ができるAIには泡を食いました。



 ぼく「ぼくは四枚刃のシェーバー、それは電動じゃなくて手動のT字のやつ、を持って洗面所に立っていたんだ。」
 AI「手に力を入れるとき、また手を動かすとき、力が入る以前と入った後、動く以前と動いた後の区別はついていますか。」
 ぼく「四枚刃だからシェービングクリーム無しでもヒゲは剃れると思ったんだ。」
 AI「力を入れるそのとき、そのつもりで入れますが、入れる以前にいちいち気づいていたり、注意していたり、意識していることは普通ありません。」
 ぼく「というのも、鏡を見るべくもなく、背中にかすかな体温を感じたので後ろを振り返ったら、妙齢の豊満な女性がパーティードレス姿であちらを向いて中年男性の顔ヒゲをやはりT字シェーバーでじょりじょり剃っていたのだ。」
 AI「手が動く以前は、手がどこにあり、何をしていたのかいちいち気づいた上で、手を動かしているのではありません。にもかかわらず動かす以前と違って、手が動くことに気づけます。」
 ぼく「ただね、実際剃ってみると意外に剃れないことに気づいたのだ。シェービングクリーム無しではやっぱ無理だなと感じた。」
 AI「その証拠に今まで思うように動いていた手が急に動かせないとなったとき、気づかないうちにしびれていて、手が動くこと、と動かないことの違いが怖くなるくらいはっきり分かります。」


 ぼく「部屋の見えないところで、というのもスイートルームになっていたので別室のほうでリラックスムードで談笑する声が聞こえた。ヒゲを剃られている中年男性は目を瞑ったままぼくの気配は感じていない様子だった。」
 AI「私たちは目に見えるものの動きは、一か所ずつちゃんと辿って飛ばずにものが動くので、動いているものが見えると思っています。しかしそれは仮現運動と呼ばれているものに過ぎません。」
 ぼく「ぼくは洗面所を離れていったんリビングのあるほうへ歩き出した。」
 AI「これらの感覚の変化が、変化として感じられるためには、それぞれ初めに感じる感覚が心に残っていくという働きが欠かせないということです。過ぎ去りゆく感じが残ることを過去把持といいます。」
 ぼく「リビングで数人が立食で談笑していると思っていたが、誰もいない。天井には小ジャレたシャンデリアが煌々と照らされていたんだが、一人もいなかった。」
 AI「そのつどの今に与えられものはすべて過去把持されていくのです。言い換えるとこの過去把持を伴っていないようなどんな瞬間も、どんな今も考えられないということです。」
 ぼく「何となくがっかり感はあった。しかたなくリビングを通って窓越しに超高層階の夜景を横目で見ながら、さっきのヒゲ剃り現場に戻ろうと思った。」
 AI「歩きながら何かをするとき、つまずいたり転びそうになったりします。歩いているとき先に出す足元の地面が平らで硬いことをいちいち気にかけることなく、いわば妄信して歩いています。考えながら歩くときとか散歩するときは先に出す足元の地面が地続きで硬いことは気づかないほど当たり前のこととして、まだそこに足が届いて確かめられていないにもかかわらず、素朴に信じられているものです。そうでなければ前に出す足に当たり前のように自分の体重をかけられません。」


 ぼく「リビングからダイニングルームへと曲がろうとしたらビックリした。妹が歩いてきたのだ。しかも背中を丸めて鼻水を垂らして。それでぼくには目を合わせない。他人みたいに知らんぷりして、それで半泣きの表情。肉親が自分に目を合わせないことがこんなに怖いことだなんて知らなかった。」
 AI「未来の足元に向けた信じ込みがなければ歩くだけでなく、転ぶことさえできません。なぜなら”転べた”のは意識にのぼっていない予感があって体重をその足元にかけたからです。不注意な予感が外れたからです。歩くのも転ぶのもこの予感があってのことです。」
 ぼく「去年死んだ伯母が妹に乗り移ったと思った。」
 AI「意識にのぼることのない予感の働きは意識にのぼらない、あるいはのぼっている過去把持と同様に、今体験する感覚の変化になるための感じる今に含まれ、直接それに属している働きです。この感覚の予感の働きを未来予持といいます。感覚の変化の前後関係は今に直属する過去把持と未来予持を通していつも感覚変化の前後関係になりえているのです。」
 ぼく「伯母は認知症でホームで療養していた。妹も認知症になったと思った。」


 以上、ある日の明け方見た不吉な夢と現象学を合体させたフィクションです。



         (参考:「現象学ことはじめ」)

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