ぶらんこ遊び 嵯峨天皇
嵯峨天皇は桓武天皇の皇子、大同四年(809)に生まれました。
「寒食」の季節にぶらんこ遊びする宮女たちの様子を詠じたものです。
「鞦韆」
鞦韆篇(しうせんへん) 嵯峨天皇(さがてんわう)
西日斜 西日(せいじつ)斜(くだ)ち、
未還家 未だ家に還(かへ)らず。
此節猶傳禁火 此の節猶(なほ)し禁火(きんくわ)を伝ふ、
遂無燈 月爲燈 遂(つひ)に燈(ともしび)無く月を燈と為す。
鞦韆樹下心難歇 鞦韆(しうせん)樹下(じゅか) 心歇(や)み難し、
欲去踟蹰竟不能 去らんとして踟蹰(ちちゅう)し竟(つひ)に能はず。
内容:「鞦韆」(ぶらんこ)の詩。冬至から百五日めを「寒食」といい、
「寒食」
すなわち「清明節」の二日前の日(現在の四月三、四日ごろ)に
「清明節」(国はちょっとわかりません)
中国では煮炊きをしない禁火の習慣があり、春の新しい火を迎える行事がある、そうです。
その前後に「鞦韆」(ゆさはり)や「打毬」(まりうち)の遊戯も行われました。
「打毬」(まりうち)(これは日本のようですね)
嵯峨天皇の時代に宮女はぶらんこ遊び、男子はホッケーのようなことをやっていたんです。
画像検索しましたら「騎馬打毬」というのもあって「ポロ」に当たるんでしょうね。カッコいい。
詩の内容はぶらんこで遊んでいたらいつの間にか暗くなってすっかり夕方になり、月が灯のようになった。帰るタイミングを逸したという話。誰しも子どものころの思い出にあります。
(参考:岩波書店)