行商のおばさん
年代はさかのぼりますが、表町のころです。千葉のおばさんが時々来ました。行商のおばさんが千葉から来るのでそう呼んでいました。大きめの籠を担いで野菜を売りにくるおばさんです。
歩いて3分ぐらいのところに八百屋さん(丹後町)はありましたが、にんじんとかじゃがいもとか大根とか玉ねぎなどは母も重かったのでしょう。現代でこそママチャリの前と後ろのカゴを利用して野菜を買う人は多いと思います。昔は一般家庭で買物に自転車を使うことは珍しかったと思います。
きっと最初は千葉のおばさんが飛び込みでやってきたのでしょう。母も千葉のおばさんと話すのが楽しかったのかもしれません。ちょくちょく買物をしていました。
母の実家に遊びに行くとき、常磐線の電車内でたまたま行商のおばさんたちを見たことがあります。紺色の布に覆われた大きい籠を車両の床に置いていました。聞くところによれば2往復することもあったそうです。
現在、行商のおばさんが存在するか確認できませんが、消費者にとって便利なシステムだったのではないでしょうか。もっとも本人たちの大変さは想像を超えていたでしょう。