昭和レトロな赤坂の思い出

昭和レトロな思い出を書きます。主に赤坂中心ですが、東京近郊にわたると思います。
趣味の話も書くつもりです。

良寛の詩 即事

 良寛の即事という詩を紹介します。


  即事


 対君々不語     君に対すれども君語らず
 不語心悠哉     語らずして心は悠なる哉
 帙散牀頭書     帙は散ず 牀頭の書
 雨灑簾前梅     雨は灑(そそ)ぐ 簾前の梅



 君と向かいあっていても君はもの言わぬ
 もの言わぬままにほのぼのとした君の心よ
 帙(ちつ)の散らかったままな枕べの書物
 雨に打たれている簾(すだれ)のそとの梅の花




 帙の・・・=帙は書物を包むケースで、厚紙に布を張ったもの。それが散らかっているのは、書物を取り出したあとの帙が放り出されたままであること。



 枕べの書物=庾信の詩に「隠士 一牀の書」。また寒山の詩に「家中何の有るところぞ、唯だ一牀の書有るのみ」。
 牀は「じょう」で寝床という意味です。「そう」でも変換できます。
 庾は「ゆ」です。廋(そう)ではありません。寒山は寒山拾得の寒山。



         (参考:東洋文庫)

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