良寛と貞心尼 ①
良寛が69歳の時、29歳の貞心尼と出会いました。プラトニックラブでした。
以下は二人が歌で交わしたラブレターの一部です。
これらは良寛示寂の4年後、二人の唱和した歌を中心にまとめた貞心尼自筆本『蓮(はちす)の露』というのが元になっています。
『蓮の露』英訳本も出ています。
師常に手毬をもて 遊び給ふときゝて
これぞ此のほとけのみちにあそびつゝ
つくやつきせぬみのりなるらむ (貞心尼)
御かへし
つきて見よひふみよいむなやこゝのとを
十とをさめて又始まるを (良寛)
はじめてあひ見奉りて
君にかくあひ見ることのうれしさも
まださめやらぬ夢かとぞおもふ (貞心尼)
御かへし
夢の世に且まどろみてゆめを又
かたるも夢もそれがまにまに (良寛)
いざかへりなむとて 立ちかへりまたもとひこむ玉鉾(たまぼこ)の
道のしば草たどりたどりに (貞心尼)
又もこよ柴のいほりをいとはずば
薄(すすき)尾花の露をわけわけ (良寛)
ほどへてみせうそこ給はりけるなかに
君や忘る道やかくるゝこのごろは
待てどくらせど音づれもなき (良寛)
(参考:良寛は佛なり)つづく