読書 BGM
読書の時に聴くBGMは普段好みで聴く音楽とは少し意味合いが違ってくると思います。病気になる前はカフェで流れているボサノバ調が心地よかったのですが、退院後よく聴くようになったのはベートーヴェンのピアノソナタとか弦楽四重奏曲、シューベルトのピアノ曲、バッハのピアノ曲、スクリャービンのピアノ曲、フランスのオルガン曲、ジャズの名盤、フィリップ・グラス等々です。
病気以前はフォーレのピアノ曲、室内楽など鑑賞していました。読書の時は却って気が散ってしまいます。ボサノバやジャズ・ヴォーカルも同様に聴き流せないジャンルです。
ベートーヴェンのピアノ曲でも巨匠のバックハウスやケンプだと気が散ります。御両人の歯の噛み合わせの悪い演奏がどうも気になって本に集中しかねます。
整然としたアンドラーシュ・シフの演奏なら聴き流せます。毒にも薬にもならないといえばそうなんです。ベトソナはECM盤ですから若干残響の多さがありますが、演奏自体は問題ありません。全集ではないのでそれはマイナスです。シフのシューベルト、バッハも心地よい。ショパンはルービンシュタインが好きですが、情に訴えてくるので読書には適さないです。
ジャズの名盤というのは多くの人がジャケットを見たことのある、ソニー・クラークとかタル・ファーロウ、ポール・チェンバース、ミルト・ジャクソンとウェス・モンゴメリー、キャノンボール・アダレイ、ビル・エヴァンスなどです。
元々ECMは好きですから、キース・ジャレット、ボボ・ステンソン・トリオ、ジョン・テイラー・トリオ、ラルフ・タウナー、Marc Copland+ゲイリー・ピーコックなどが読書に向いています。
Bobo Stenson Trio ~ Snowbound
フィリップ・グラスは現代音楽ですが、サウンドトラックならわりと耳障りではなく心地いいです。
読書は四、五冊並行して読むことが多いです。読めるところまで読んで飽きたら他の本に移ります。その日の気分で読みたいものは変わりますので、一冊ぶっ通しで読み続けることは少ないです。いわゆる拾い読みというのでしょうか。
それと買うまでさんざん迷って買ったはいいが、読み始めるとうまく進まない時もあります。おそらく買いたい読みたい気持ちの周期が過ぎてしまうためと思います。そういう際は潔く本棚にしまいます。世間で積ん読と呼ばれる状態ですが、ぼくは熟成する感覚です。本棚に入れることで機が熟すのを待つわけです。数週間、数ヶ月経つと意外にすいすい読めたりします。