ノーシン ハッキリ
昭和30年代、頭が痛いとノーシンとかハッキリを飲みました。どちらがどちらかは覚えていませんが、白っぽい薄紙に包まれた粉薬でした。赤い薄紙のもありました。風邪薬や熱さましが赤い薄紙だったかもしれません。あの赤い薄紙はいつの間にか消えました。オブラートで包む習慣が広まり錠剤やカプセルで飲むほうが多くなったのは70年代からでしょう。
昭和39年ごろの大映映画「卍」には赤い薄紙の薬を飲むシーンが出てきます。あれは睡眠薬でした。赤い薄紙を三角に折って粉薬を口に送ります。いかにも薬を飲んでいるという感覚で効き目がありそうな感じでした。映画には吸い口も出てきます。
若尾文子、岸田今日子、船越英二が同時に赤い薄紙で薬を含み吸い口で水を飲んだシーンはけっこう壮観です。
吸い口もいかにも病人臭くて入院でもしないと使わなかったと思いもしますが、よくよく記憶をたどってみると、風邪をひいて部屋で寝ているときに吸い口で水を飲んだことがあります。そのときは病人気分を味わいました。幼稚園のころは休んでばかりいました。