昭和レトロな赤坂の思い出

昭和レトロな思い出を書きます。主に赤坂中心ですが、東京近郊にわたると思います。
趣味の話も書くつもりです。

東京タワーのトンコ

 昭和30年代後半から40年ごろ、東京タワーのふもとに「とん子」という店があったらしいです。あったらしいというのは変ですが、父が通っていた飲み屋さんです。晩ご飯の後、父の帰りが遅いと母がそわそわしながら、
「とん子だね、きっと。ちょっと行ってくる」
と言って出かけます。母はバスで「赤坂支所前」から「溜池」「六本木」と乗り継いで行き「飯倉」で降りました。

 見上げれば東京タワーです。「とん子」は女主人が営む小さな飲み屋でした。父はどうやらママさん目当てで飲みに行ってたようです。ついつい長居になることもしばしばでした。


 母は父の首根っこを掴む感じで連れて帰ってきました。
「やっぱりとん子にいたよ。トンコトンコ♪」
と母は勝ち誇ったように言いました。


 「トンコ節」は昭和26年発表のお座敷歌です。作詞は西条八十です。歌詞の結びに「トンコトンコ♪」という独特のフレーズが印象に残ります。

久保幸江 トンコ節 (高音質ステレオ)


 そこから採って店名にしたとすればママさんも元素人じゃないかもしれません。


 ちなみに五月みどりの「一週間に十日来い」(お座敷演歌:昭和37年)の歌詞には「とことんとことん♪」というフレーズがありましたね。

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