ラーメンの屋台
赤坂表町時代です。昭和30年代後半だと思います。たまたま晩ご飯を用意していなかったのか、外出から帰ってきたのか、記憶はおぼろげですが、ラーメンの屋台のチャルメラが聴こえました。
あそこに住んでいてチャルメラの音が聴こえることはそう多くはなかったと思いますが、そのときはタイミングが合ったのです。「ピラリーラリ・・ピラリラリラー」うわっ!本物のチャルメラの音だ!とドキドキしました。
じゃあラーメンでも食べようか、ということでぼくと母とでお勝手から外に出ました。なだらかな坂の途中で屋台が佇んでいました。三人前注文して二人前を運び残りの一人前をラーメン屋さんがお勝手まで運んでくれました。ラーメンのどんぶりは後日引き取りに来たんだと思います。
小学校低学年だったぼくは日ごろラーメンは食べませんので、ああこれが本物のラーメンの味かと思いました。それまでラーメンというとチキンラーメンしか食べたことがありません。
妹は小さいし、祖母はある物で適当に済ませたのだと思います。