フォーレ ピアノ五重奏曲 ①
フォーレのピアノ五重奏曲に出会ったのは昭和59年のことです。小石川図書館で借りたレコードに偶然収録されていたのです。
小石川図書館に通いながら、何か情念のある音楽を聴きたいと感じていました。
そのころ懐かしい邦画を見たような気がします。前衛的な音楽とか芸術に一時的に飽きて何かドロドロした情念の音楽とかストーリーは無いかと思っていました。
フォーレの作品に「エレジー」というタイトルがあるので借りてみたのです。
「エレジー」は9分足らずの曲です。
針を上げるのを忘れて次の「ピアノ五重奏曲第二番」が始まっていました。しばらくそのこと自体気づかず心の中にスーッと入ってきました。
これいいけど勘違いかなと一瞬自分の感覚を疑いました。ですが、聴けば聴くほどいいのです。
これいいなあ、これいいなあ、と思いました。クラシックでこういう感覚は観念の中では想定内でしたが、この曲ほどドンピシャで好きだと感じる曲に出会ったのは初めてでした。
さっそくカセットにダビングして毎日聴くようになりました。
小石川図書館でピアノ五重奏曲第一番も借りました。超絶品でした。
この2曲は生涯聴き続ける曲になりました。先にデータを掲げておきます。
Gabriel Faure
Piano Quintet No.1, Piano Quitet No.2
Germaine Thyssens Valentin-piano
le quatuor de l'ORTF : J.Dumont 1er violon,L.Perlemutter 2eme violon,M.Carles alto,R.Salles violloncelle
Enregistrement,Edition : Andre Charlin
先に書いておきますが、録音はアンドレ・シャルランです。デュクレテ・トムソンというレコード会社でも録音技師でした。シャルランがワンマイク方式をシャルランレコードでも録音に用いました。