昭和レトロな赤坂の思い出

昭和レトロな思い出を書きます。主に赤坂中心ですが、東京近郊にわたると思います。
趣味の話も書くつもりです。

ドグラ・マグラ

 昭和58年に乱歩を読み終わると同時に乱歩に関する評論を読みました。その中に夢野久作の名を見つけました。


 夢野久作の『ドグラ・マグラ』の文庫上下巻を2日間で読みました。夏でしたので、本のページにダニのような虫が這っていて、そんなことは初めてでしたのでとても印象深く覚えています。途中チャカポコチャカポコといった少し冗漫な部分はありましたが、概ね面白く読めました。
 夢野作品は他に「少女地獄」など文庫や単行本で読んだり、『夢野久作の世界』などの評論著作も読みました。


 夏の終わりに山形へ避難旅行に行った際は、リュックに小栗虫太郎の『白蟻』の文庫が入っていました。山形の宿泊先で読んだのを思い出します。その後も創元社文庫の小栗作品を買いました。


 あと前年か58年かに浅田彰の『構造と力』が流行りました。巻末の図解をノートに写したことを覚えています。『逃走論』も一応読みましたが、あまり面白くなかったです。
 ジャン・ボードリヤールの『消費社会の神話と構造』は単行本しか出ていませんでしたので、少々値が張りましたが買って読みました。くわしい内容は忘れましたが、当時は分かったような気がしました。半年1年を占う経済本より十数年単位の推移を見るような本のほうが読み応えがあると思います。『象徴交換と死』は途中で飽きてしまいました。


 下北沢の北野書店でよく「IN POCKET」(うろ覚えですが)とかいう小冊子(文庫サイズ100円)を見かけては買っていました。栗本慎一郎とか吉本隆明などの対談も載っていました。とにかくあのころはポストモダンとかニューアカデミズムとかいう言葉が流行ったので一応目を通しておこうと思ったわけです。

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