じゅん&ネネ
昭和43年の中2のころクラス会がありました。
ぼくはクラスメイトのAクンとSクンとで芝居をやることを決めました。台本を作ってさあ本番というときにSクンが俺やっぱりやめとくよと言ってきました。
Sクンの家は新宿区にあってまだ売れる前の西郷輝彦が下宿していたことがあったそうです。Sクンによるとあそこが超デカい、ということです。
仕方なくAクンと二人で芝居をやりました。内容は覚えていないですが、ぼくは浴衣か寝間着を着て胡坐をかいてセリフを言っていたのは覚えています。
芝居の後はAクンとじゅん&ネネのものまねをしました。Aクンがじゅんでぼくがネネです。
ヒットした「愛するってこわい」を歌うつもりでした。女装の準備として家で事情を説明して母にブラウスとスカートとパンストを借りました。
いざ本番で歌う段になって全然歌詞が出てこなかったです。考えてみれば一度も音合わせしていませんし、歌詞も確認していません。
ヘラヘラ笑いながら振付をし、Aクンのほうを見ているだけでした。
女装してクラスのみんなを驚かせてやろう、ぐらいの軽いノリだったのです。浅はかでした。
担任は石部金吉に譬えられるぐらいの堅物でした。