昭和レトロな赤坂の思い出

昭和レトロな思い出を書きます。主に赤坂中心ですが、東京近郊にわたると思います。
趣味の話も書くつもりです。

浅川マキ

 ずっと何十年も浅川マキは聴かず嫌いでした。「夜が明けたら」がいけないのです。あれをちょっと耳にしただけでブルースかジャズを無理やり日本語にしている、というマイナスイメージが先にきます。


 わりとそういう人多いのではないかと思ったりします。長い黒髪で黒ずくめ、スポットライトで地下室で歌っている、そういうアングラっぽいちょいブスのおばさんみたいなイメージです。


 インテリが浅川マキ好きみたいなイメージもありますね。だまされてるなとか、ポーズで聴いている、とまでは言いませんけど、そう思っていた時期もありました。


 「恐怖劇場アンバランス」の「夜が明けたら」の巻で実際浅川マキがアングラ的な雰囲気のクラブみたいなところで歌っています。浅川自身はアンダーグラウンドであってアングラじゃないんだと主張していたようです。この場面はYouTubeにも上がっています。


 でも実際CDで「かもめ」とか「少年」「淋しさには名前がない」とかを聴くとじーんと来ました。

浅川マキ(1942/1/27 - 2010/1/17) - Just Another Honkey - 1976 Studio Live Version(2/2)



 浅川は2010年に亡くなっていますが、ぼくがちゃんと聴いたのはちょうどそのころです。レンタルで試しに聴いてみました。
 「幕間音楽」みたいなものもあります。これは日活ロマンポルノの作品で場面展開のときに70年代の何気ない町の風景が写りますが、それにぴったりの音楽です。フォークロック調の肩の力の抜けた曲です。


 フォークのライブ大全みたいなDVDに「かもめ」が収録されていますが、これは失敗です。まず観客が引いてしまって、そっぽを向いています。浅川本人も素人みたいな気持ちになったとインタビューに答えています。


 ちなみに「恐怖劇場アンバランス」の「夜が明けたら」の巻の主役は夏珠美ですが、この人は奥村チヨを美人にしたようなパンチのある新宿フーテンガールです。子役のころは藤井珠美の本名で月光仮面の映画版「サタン(魔人)の爪」や「怪獣コング」に木の実ちゃん役で出演していました。女子美の中高を経てTVドラマ「キイハンター」「ザ・ガードマン」に出演したり、映画ではフーテン役をやるなどホントに新宿が似合うカッコいいお姉さんです。

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