二号さん
表町の2階には二号さんが何人かいました。地〇鉄総裁とかお酒メーカー重役とかが囲っていたのです。当時、都心の貸室に女性を囲うほうもそれなりの収入なり地位がある人ですが、囲われる女性も何かしら長所のある人でなければいけません。
資格を持っているとか、人当りがいいとか、信用できる人とか、金銭にキレイな人、家柄がいいとか、美人であるとかです。
お店を経営する、もしくは任されるような女性は何か美徳があるんでしょう。万が一出資者の旦那さんに捨てられても他の人に救われるとか自立できそうな女性が選ばれるような気がします。
昭和30年代は着物が似合うこと、当たり前ですが自分で着れることも大前提でした。洋装でも小奇麗で品のあること、などが外見の条件として挙げられます。
そういう点ではいわゆる職業婦人とか水商売の女性各々単独の特性と一線を画していたと思います。
この30年40年あまり二号さんという言葉を聞きません。お妾さんという古臭い感じの言葉のほうが使われるような気がします。二号さんというのは昭和30年代を感じさせるに相応しい言葉だと思います。