自作のピンボール
K中学の1年でクラスは別ですが、円通寺坂を下りて一ツ木通りに向かう途中の路地を入ったところに住んでいたMクンと話をする機会がありました。テアトルボウリングのゲーム場にあるピンボールが面白いということになり、台町のうちに遊びに来てくれるように言いました。
彼のうちは牛乳店でしたが、先代は一ツ木通りでかまぼこ屋を営んでいたそうです。
Mクンを呼んで見せたかったのは自作のピンボールです。板にゴムひもを釘で留めてバウンドさせたり輪っかをつけてボールの方向を変えたりです。ボールは大きめのビー玉を使いました。
フリッパー?も何とか似た格好のものを作り、ボールを弾きます。ちょっとしたスマートボールの様相でした。一ツ木通りにあったスマートボール屋は子どもの自分は入ったことがありません。何だろうなといつも横目で見て通り過ぎていました。
Mクンは自作のピンボールを見て大層びっくりしたようでした。ピンボールを自分で作ろうという発想に半ば呆気に取られた風でもありました。
中学でも3年ぐらいになると大人びた子はスマートボールの話など休み時間に喋っていました。ぼくはてっきりピンボールの話だろうと当時は勘違いしていました。