「三丁目の夕日」と「メタモルフォーゼン」
夕焼けPV ~三丁目の夕日メインテーマ~
作曲者の佐藤直紀氏は1970年か71年ぐらいの生まれだったと思うが、まるで昭和30年代を生きたみたいに曲を作ってくれた。こういう天才もいるんだなと思う。
このテーマが流れるたびにタイムスリップしたみたいに目頭が熱くなる。泣きさえする。これはどういったものなのか。
佐藤氏はVHH型である。R.StraussもVHH型である。(Metrum鑑定法による)
曲想は違うが、何度も回想するシーンのようなメロディがじわじわとくりかえし来る。
「三丁目の夕日」パート1は戦後の復興も一段落しこれから高度成長に入っていく予感がある。希望がある。
Richard Strauss - Metamorphosen, für 23 Streicher, Staatskapelle Dresden, Rudolf Kempe (1973)
一方で「メタモルフォーゼン」1945年前後に作曲されたので、戦前は良かった、戦争のために全てを失った。想うべくは古き良き日を何度も回想し頭に心に甦らせる、哀しいまでの願いが込められているように見受けられる。
「三丁目の夕日」を見ている、聴いている心は昔はよかった、昔に戻りたいと思いがある。そういう意味では「メタモルフォーゼン」と共通するところがある。
ただ、率直に言えば「メタモルフォーゼン」は26分前後の作品だが、15分ぐらいに縮めたほうがよかった、と思う。後半はさすがにダレる。15分に収めたほうが余韻があっていい、と個人的には思う。