Faure Dolly Thyssens-Valentin et Puig-Roget
Germaine Thyssens Valentin plays Fauré "Dolly" Suite Op. 56
4手のためのピアノ曲「ドリー」です。
ここで共演しているジェルメーヌ・ティッサン=ヴァランタンとアンリエット・ピュイグ=ロジェは素晴らしいの一言に尽きます。
アンドレ・シャルランのワンマイクによる録音はシャープとは言えないものの、音楽の立体感を再現してくれています。
上野駅公園口の改札を通ると東京文化会館がありますが、そこのレコード試聴室で偶然ピュイグ=ロジェ女史を見かけました。助手さんに試聴の仕方を訊いていました。試聴室ではぼくの斜め後ろにピュイグ=ロジェ女史は座りました。女史が帰り支度を始めたのでぼくもあわててレコードを止め出口のところで待っていました。
素人の厚かましさに女史にお声を掛けたのです。試聴中に紙ペラにメモしたものを女史に渡そうと思ったからです。
基本日本語ですが、Germaine thyssens=valentinとかHenriette puig-rogetとかDollyとか書いてFaure Piano Quintetと書きました。安田四重奏団とも書きました。
要は安田四重奏団とフォーレのピアノ五重奏曲を演奏してください、と伝えたかったのです。
女史はそれを叶えてくれたのです。わけの分からない日本人の願いを受け入れてくれたのです。
けれどもそれを知ったのは「音楽の友」のバックナンバーで、でした。図書館で、です。(苦笑)住所と名前を明記していたのにパンフレットを送ってくれなかった。
なぜ安田四重奏団かというと草月ホールで聴いた安田四重奏団のピアノ五重奏曲に感動したからです。それ以前、矢代秋雄のレコードでピアノ三重奏曲をピュイグ=ロジェ女史と安田さんが共演していたので、大丈夫かもしれないと思ったからです。
話が脱線しましたが、フォーレのドリーを聴くとうつな気持ちも少し晴れます。
特に二人の演奏は深くかつ典雅で背筋ゾクゾク脳味噌がカラッとします。