昭和レトロな赤坂の思い出

昭和レトロな思い出を書きます。主に赤坂中心ですが、東京近郊にわたると思います。
趣味の話も書くつもりです。

「億万長者」

 昭和29年の「億万長者」という映画があります。


 赤坂の芸者役が山田五十鈴、永田町の議事堂が見える空き地で訓練する警察予備隊(自衛隊)、それを見ている近所のバラックに住む子どもたち、その子どもたちの「演劇かぶれのおにいちゃん(岡田英次)はちょっと共産党だね」というセリフがあります。ちなみに永田町には「長寿湯」という銭湯があったという設定です。


 バラックの二階で原爆を作る娘は久我美子、飛行機の爆音を聞くと空襲を想い出して身を隠す税務署員は木村功が演じています。久我は広島で親兄弟を失くしたショックで原爆を作っているという設定です。


 雨が降ってくるとみんな逃げ出すのですが、この年ビキニ環礁で水爆実験が行われて放射能が雨に混ざっている、とのこと。


 税務署長役は加藤嘉(山田五十鈴の元夫)、政治家は伊藤雄之助が演じています。赤坂の料亭は「K龍」らしきところが写ります。税務署員の木村は脱税名簿を放ったらかしにして赤坂見附の交差点でヘタり込んでしまいます。山田五十鈴と加藤嘉の口争いのシーンもあります。


 政治家(伊藤)は芸者(山田)を辞めて所帯を持とうと言い寄ります。これは実は汚職の隠ぺいでした。


 昭和27年には再軍備反対のデモがありました。29年には水爆実験がありいきおい反戦のムードは高まったようです。映画はシニカルな喜劇仕立てです。

×

非ログインユーザーとして返信する