昭和レトロな赤坂の思い出

昭和レトロな思い出を書きます。主に赤坂中心ですが、東京近郊にわたると思います。
趣味の話も書くつもりです。

月光仮面

 やはり月光仮面のおじさんはどこかにいるんだろうと思っていましたね。何かあったら来てくれるんじゃないか、って。


 よく記録映像とかニュース映画に当時の子どもたちが風呂敷を首とか肩に巻いて月光仮面の真似をする場面が出てきますが、ぼくの場合セットを買ってもらいました。縁日で売っているようなプラスチックの仮面と白いマントとピストル、この3点セットだったような記憶があります。仮面はプラスチックかどうか正確ではないですが、仮面を着けた時の匂いは覚えています。


 別に裕福というわけではありませんが、まだ妹が生まれる前なので結果的に一人遊びが多かったせいもあると思います。(まぼろし探偵のセットも買ってもらいました)


 ぼくより上の世代、団塊に近い人は月光仮面そのものより、鞍馬天狗とか赤胴鈴之助とかに成りきって月光仮面とも対戦するみたいなニュアンスが強かったのではないでしょうか。4歳上の従兄からはあまり月光仮面の話は聞きません。


 従兄と同じ年の山口正介さんが書いた『麻布新堀竹谷町』には月光仮面(映画)の悪役にも注目している点など書かれていて大変面白いです。


 結局テレビが家に来た時期が同じなので年齢の差が如実に現われるんではないか、と。うちは皇太子と美智子さんの婚礼のちょっと前にテレビが来ました。

東京タワー

 話は前後しますが、表町に住んでいるころ、薬研坂の上、つまり赤坂支所の前あたりから建設途中の東京タワーが見えました。

 3、4歳のころですからそんなに背も大きくありません。それなのに見えたのですから、あの辺りよほど高台なのか、邪魔なビルが建っていなかったんだと思います。

 子ども心に土台だけの東京タワーはちょっと不気味でした。

 月光仮面の初期のころのDVDを見ますとちょうど建設途中のタワーが見られます。

日比谷高校のグラウンド

 ぼくが自転車に乗れるようになったのは遅いほうです。兄もいないし、父は子どもと遊んでくれるような人ではありませんでした。

 小学4年の時のある放課後、みんなで集まって日比谷高校のグラウンドに行きました。永田町に住んでいたTくんの20インチの自転車を借りて何となく自転車に乗る練習が始まりました。周りのみんなが押してくれたのです。

 グラウンドの土がごろごろしていたのが逆に幸いしたのか、割合うまくいきました。

 その後ハッサンの家にみんなで行く時、舗装された道を走るほうが却ってバランスを取るのが難しかったです。

 台町のうちに帰って親にねだりました。背が伸びることも考慮して24インチの自転車を買ってもらいました。嬉しかった。一ツ木通りを我が物顔で走りました。一ツ木町のYくんちはもちろん遠いハッサンのうちまで難なく遊びに出かけました。

 前述のTくんと二人で東京タワーまで自転車で行ったことがあります。

赤坂表町の友だち

 


 赤坂表町では向かいのNさんちの息子と遊ぶことが時々ありました。S夫くんは3歳上でM夫くんは1歳下です。


 空き地で鏡を使って日光を反射させるなど他愛のないことです。水鉄砲でも遊びました。でも二人は兄弟なのでグルになってしまうのです。


 Nさんちに行くとイチジクが菜っていたので、少し食べさせてもらったことがあります。それとS夫くんは栄養があるからと蜂を生け捕りにして食べていました。S夫クンは大人になって獣医になったと聞いています。
 N家は黒板塀でしたが、中庭はジャングルのようで、そこで育った兄弟姉妹は野生児です。お父さんは「とらや」に勤めていました。



 本当は表町でも印刷屋のKさんやYさんWさんの近所のIさんの娘(1歳上)に「上」「下」「左」「右」の漢字を地面にろう石で書いてもらって教わるほうが充実していました。


 その近くに集合住宅があって、そこのタカシくんたちと遊んだのが一番楽しい思い出です。彼はぼくより2、3歳下だったような記憶があります。大勢でガヤガヤ楽しく遊びました。

赤坂一ツ木通りの縁日

 現在の一ツ木通りは歩道と車道が分かれていますが、昭和30年代は普通の通りでした。


 一と六の日は縁日で夜店がずらっと並びました。綿あめ、金魚すくい、ヨーヨー、京人形、引き出し(硬貨を入れると消える)、バナナの叩き売り、しんこ細工などなど、珍しいと言えるものはそんなに無く、食べ物の夜店は今ほど多くなかったように思えます。


 ぼくは浴衣に兵児帯を締めて出かけるのが常でした。一と六の日というと毎週のように縁日だったわけで、体調が悪い時以外は出かけていたと思います。


 映画「赤坂の姉妹」昭和35年(原作由起しげ子)を見ると実写で赤坂の街の様子が見ることができます。一ツ木通りの縁日の場面もあります。機会があったら是非見てください。