昭和レトロな赤坂の思い出

昭和レトロな思い出を書きます。主に赤坂中心ですが、東京近郊にわたると思います。
趣味の話も書くつもりです。

少年ジェットetc

 少年ジェットの真似をして表町の家の前で「ユーヤーター」と叫んだことがあります。正しくは「ウーヤーター」でしょうが、ユーヤーターに聞こえたのです。雷か地震が起きたらどうしようと思いながら勇気を出して行った記憶があります。


 少年ジェットの「狂った画家」は油絵に描かれた花嫁が浮き出て彷徨い歩きます。それがものすごく怖くて花嫁姿を見ると思い出します。



 でも魅了されたのは七色仮面のほうだったと思います。真似するのは至難の業というか、弥勒菩薩にパイナップルを生やしたようなキャラは真似しようがありません。


 ナショナル・キッドは飛んでいるとき膝が曲がっているのが気になってしょうがなかったです。志村妙子のことは覚えていませんでした。太地喜和子が亡くなって初めて知りました。


 まぼろし探偵はクールなイメージでしたが、バブルのころ映像を見直してみると全然違っていました。

つっこみ処・まぼろし探偵・怪電波編


 怪傑ハリマオは大人が見るものだと思い、当時ちゃんと見ていなかったです。南方の島国が設定になっているようですね。でも撮影のロケには外苑の絵画館が使われていたりします。

古本の相場

 一ツ木の古本屋で買った本の相場ですが、乱歩の「影男」は50円、「緑衣の鬼」は70円だったと思います。この古本屋は神保町の古本屋と同じように古本を売る立派な構えの古書店でした。子ども向けといえども貸本ではありません。あくまで売買です。
 甲賀三郎の「姿なき怪盗」も50円ぐらい、「黒い天使」は40円ぐらい、海野十三の「少年探偵長」は40円ぐらいだったと思います。大ざっぱに30~70円という記憶がありますが、どれがいくらかは正直覚えていません。


 少年マガジンのふつうが30円で特大号が40円でしたが、新刊がいくらだったのか未だに判りません。特大号が50円になった時うわぁ高くなったなと思いました。貧乏ではありませんでしたが、子どものころから古本を買えば節約になるという心がありました。父や妹などはぼくが散財家と思っているようでしたがとんでもないです。贅沢なものを買っているんじゃない、安く買える策を考えるという親への配慮でもあり言い訳でもありました。
 探偵小説は子ども向けとはいえ、単行本の装丁でした。発行年は一番古くて昭和24年、一番新しくて昭和33年ごろですから(初版とは違います)、昭和39年、40年の時点で確かに古本です。

一ツ木通りの古本屋

 一ツ木通りの青山通り寄りに古本屋がありました。縁日の日は父が本を見ている間、読書に縁のない母は幼いぼくをだっこして道で待っていたそうです。子どもがぐずることも考慮したのでしょう。

 小学校低学年になると、店先に積んである少年マガジンを買ったりしていました。発売日数日遅れですから、10円ぐらい安くなります。30~40円がぼくの懐具合にちょうどよい感じでした。それでも一応、母に今週は別冊付きだから特大号だからと説得しておこづかいをもらいます。

 5年生のころ学校の図書室で江戸川乱歩の「大金塊」を夢中で読みました。それがきっかけで古本屋の店の中ほどにあった探偵小説を手に取るようになりました。乱歩は「影男」とか「緑衣の鬼」とかに夢中になりました。影男の闘人の場面では影男が美女に変装して現われます。その挿絵も素晴らしい。甲賀三郎の「姿なき怪盗」も謎のヤギ髭老人が出てきたり獅子内探偵が颯爽とスクーターに乗る場面もありました。「黒い天使」というタイトルだったかうろ覚えですが、大人の雰囲気漂う探偵小説もありました。海野十三の「少年探偵長」には初っ端からヘリコプターが登場します。ドイルやルブランも読んだ記憶があります。

 古本屋は昔の住居表示だと赤坂新町です。現在は赤坂3丁目です。

赤坂六地蔵尊

 一ツ木通りの中間あたりに六地蔵尊があります。かつてあった一ツ木の縁日は一と六の日ですが、六地蔵尊だから六、一ツ木だから一なんだろうと思います。違ってたらゴメンなさい。

 奥の境内で三角ベースをしたりして遊びました。一つ上のN酒店の息子が加わると身が引き締まりました。缶けりに興じたこともあります。

 子どもたちは自転車も乗り入れていたような記憶があります。

 妹はここのお寺さんの幼稚園に通っていました。「ののさまにあげましょきれいなお水」「ののさまにあげましょきれいなお花」お水とお花の順番は正しかったかどうかうろ覚えです。ぼくはN幼稚園だったもので。

 数年前、ここで盆踊りを見物しました。懐かしい人にも出会いました。現在も行われているんでしょうか?

乃木會館

 両親は乃木會館で結婚式を挙げました。挙式は乃木神社だったのでしょう。乃木坂という坂があってそこのところにあります。昔の赤坂新坂町、今は赤坂8丁目ですね。旧乃木希典邸は外苑東通りに面しています。今は乃木公園ですね。表町のうちから近いですが、さすがにハイヤーを手配してその手間に追われ、花婿である父は最後に一人で乗り込んだそうです。

 新婚旅行は熱海でした。ずいぶん倹しいハネムーンだと思ったのですが、当時の流行りは熱海とネットにありました。この時点では入籍していませんで、ぼくが生まれてから籍を入れたようです。昔はそういうことがあったらしいです。

 現在は乃木會館の近くに「乃木坂」の駅ができました。地上に上がると小さな乃木公園が見えます。赤坂8丁目(新坂町)と9丁目(赤坂檜町)があって南青山1丁目に接しています。ここの南青山1丁目は昔、聖路加支院があったようです。青山墓地も近いです。

 この辺は寂しいほうへ歩いていくと真面目な味の銀座ウェストがあります。かつては隠れ家的な名曲喫茶でしたが今はどうでしょう、しばらく行っていません。