昭和レトロな赤坂の思い出

昭和レトロな思い出を書きます。主に赤坂中心ですが、東京近郊にわたると思います。
趣味の話も書くつもりです。

三鞭酒(シャンペンしゅ)   日夏耿之介

 日夏耿之介詩集から「三鞭酒」という作品を紹介します。



   三鞭酒ー又は流火の歌


 良後(あたらよ)の天床(ふしど)に於ける片破星(かたわれぼし)は


 夥しくこぼれし三鞭酒(シャンペンしゅ)の一滴にすぎず


 微星(ぬかぼし)らの声音(こわね)を好む


 神経質の笑ひにて


 其存在を精密に高度(かうど)に知覚すべければ


 詼諧(くわいかい)よ 衝動よ 慟哭(どうこく)よ 歓呼(くわんこ)よ


 房心(ぼうしん)楽しみ快飲するとき


 屡(しばしば)声高く叫ぶなり


 快く目醒(さ)ましき凄壮の奇襲戦よ


 醱酵せる焮衝(きんしょう)よ 跛足(はそく)の悲嘆よ 地上讃美よ


 爾(なんじ)の小賢(こざか)しき毛髪と


 快く熟眠せる四̪肢と戯謔好(ぎぎゃくずき)の黒瞳(こくどう)とを嘉(よみ)ず


 爾 何を思索するもよし喋言するも亦よし


 いで黄金杯(わうごんはい)高くかかげ


 われらが片破星らを頌(ことほ)がむ





  (参考:思潮社)

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