昭和レトロな赤坂の思い出

昭和レトロな思い出を書きます。主に赤坂中心ですが、東京近郊にわたると思います。
趣味の話も書くつもりです。

チーマーたちの共同生活

 渋谷を散歩していた。センター街のルノアールあたりで小競り合いが起こっている。すごいケンカだ。間近で見るのは初めてだ。ヤバい、死傷者が出そう。


 破落戸(ならず者)の一人がぼくに近寄ってきて、
 「お前、金目のもの持ってるか?」
 と訊いてきた。
 「ダイヤならあるよ」
 「よし、ついてこい」


 ぼくは、少し離れた路地の隅に連れていかれた。西武へ抜ける路地だ。そこで外国人がポツンと立っていた。29万で買ったダイヤを渡したら外国人が破落戸に万札を十枚ぐらい渡した。


 ぼくは破落戸に引っ張られて元の場所に戻った。全身に寒気を感じた。そのまま気を失ってしまった。



 翌朝、目を覚ましたら知らない部屋でマットレスに肌掛け一枚かけられて横になっていた。部屋の外で大勢のひとの声が聞こえる。ドアを開けて見たら若い男たちがワイワイやっていた。昨夜のチーマーたちだな。中には坊ちゃん顔のやつもいる。


 ぼくはリーダー格の男に直談判した。ちょっと買物行ってきたいんだが、と。
 許可を得て外に出た。ちらっとふり返って建物を見るとシャレたタウンハウスだった。


 量販店でいくつか買物をしてすぐタウンハウスに戻った。建物の中は棟続きの通し部屋になっている。
 ここには広めのダイニングがある。ちょっとした食堂のようだ。
 アジフライにポテトサラダ、味噌汁か。美味い。ご飯も炊きたてだ。



 むむ、飲みこめるじゃないか。よく噛んで慎重にやれば飲みこめる。嚥下困難が治った、治った。破落戸たちに報告したい、飯が飲みこめるようになったよ、って。
 〇グザイルとかV6みたいの苦手だったけど意外といい奴らじゃないか。
 ショック療法でぼくの疾病も治った。


 だけど奴らに報告する時は杖ついて行く。彼らも障がい者には手をかけないだろう。


 坊ちゃん顔の男にシャワー浴びたいと報告した。浴室に移動したら一人の華奢な感じの男がシャワーを終えて出てくるところだった。昨夜は大変だったね、と言う。この男も巻き添えを食ったようだ。


 浴室を出て、部屋に戻ったらもう午後1時半だった。ふいに眠気が襲ったので眠り込んでしまった。
 起きると誰かがぼくを呼んでいる。「荷物が届いてるぞ!」
 見たら午前中量販店で買った黄色のマットレスだった。


 そうか、時間指定2時にしたんだっけ。早いなぁ。


 車いすでしか移動できなかったぼくだが、破落戸のおかげで松葉づえで歩けるところまでなった。
 めでたしめでたし。



   (今朝がた見た夢です。地震のせいかもしれない。)

×

非ログインユーザーとして返信する