夏日の作 梁田蛻巌
梁田蛻巌の夏日作を紹介します。
夏日作 夏日の作
風簾揺返照 風簾(ふうれん) 返照(へんしょう)を揺らす
柯影舞如人 柯影(かえい) 舞いて人の如し
石鼎茶前水 石鼎(せきてい) 茶前(ちゃぜん)の水
衣桁浴後巾 衣桁(いこう) 浴後の巾(きん)
琵琶湖すだれ
柯影=風簾に映る枝の影
石鼎=石造りのかなえ。湯を沸かすのに用いる。
衣桁=ころもかけ。衣服をかけておく家具。これは昭和の終わり、もしくは平成の初めまで残っていたのでは?
巾=手ぬぐい
「現代語訳」
風が吹くと夕日を受けたすだれが揺れ、
それに枝の影が人のように舞う。
石のかなえには茶を煮るための水が貯えられ、
衣かけには風呂あがりのさっぱりとした手ぬぐいがかけられている。
(参考:岩波書店)