赤坂をどり 日本の様式 ⑤
赤坂をどり第四十四回
藤間流「吉原雀」長唄囃子連中
雀科の一種「よしきり」という夏鳥の別名。
本当の意味は、江戸時代遊郭で有名な吉原を冷やかしにくる客のことを俗に吉原雀。客と遊女の男と女の機微を意味深に踊る。色っぽい感じ。
吉原雀
新吉原雀
男 三喜美 八重駒 女 由美江 育子
男はスカイグレーの着物に帯はひし形の縞。女は淡黄色の着物に帯はひし形の縞。
途中で全員白い手ぬぐいを使って舞う。男は手ぬぐいを頭にかぶる。鳥籠を持ち出す男。棹の付いた駕籠を担ぐ。
〽 君の寝姿窓から見れば 牡丹芍薬百合の花 芍薬よいほいよいほいよいほい芍薬牡丹 牡丹芍薬百合の花 つけ差(ざし)は濃茶かえ(中略)
文(ふみ)のたよりになあ 今宵来(ご)んすとその噂 いつの紋日(もんぴ)も主さんの 野暮な事じゃが比翼紋 離れぬ仲じゃとしょんがえ 染まる縁(えにし)のおもしろや 実(げ)に花ならば初桜 月ならば十三夜 いずれ劣らぬ粋(すい)同士の あなたへいろ抜けこなたの伊達 いずれ丸(まろ)かれ候(そろ)かしく
つけ差=自分が口をつけた酒杯やキセルを人に差し出すこと。
紋日=特別な日。この日湯屋は浴客に茶をふるまい、客はその返礼に十二文のおひねりを渡しました。
比翼紋