昭和レトロな赤坂の思い出

昭和レトロな思い出を書きます。主に赤坂中心ですが、東京近郊にわたると思います。
趣味の話も書くつもりです。

超巨大コンピューターの恐怖

 8マンのその6で「超人サイバー」という編があります。1963年ごろの作品ですが、元ネタは50年代にあったようです。


 昨今はAIに雇用が乗っ取られるのではないか、一方で政治や経済もAIに任せてしまったほうがいい、という声も聞きます。


 8マンの超人サイバーは超巨大コンピューターのことですが、それでもかなりコンパクトに見えます。

 ここでは斉藤楠卜という人の『8マンの不思議』から抜粋してみます。



 8マン(すでに泉純子に化けています)が泉電子頭脳研究所に侵入すると、そこで見たものは、超巨大な電子頭脳、超人サイバーの姿と、人々が「支配装置」を脳に埋め込まれ、サイバーに隷属化された姿であった。


 超人サイバーの狙いは、人類をロボットの意のままにあやつり、世界征服する事だった。サイバーの強力なロボット兵器に、田中課長の率いる警官隊はなす術もなかった。
 もうサイバーの前に立ちはだかれるのは唯一、正義のスーパーロボット8マンしかいない。こうして8マンと超人サイバーの戦いがはじまった・・・。


 超人サイバーは、8マンに10万ボルトの大電流を浴びせた。しかし、8マンは微動だにしなかった。逆に8マンは100万ボルトの大電流を放電して超人サイバーをやっつけたのだ・・・。(注:ボルトは電圧、電流はアンペアだと思いますが原文をそのまま載せます)


 私(おそらく斉藤氏)の考えでは、この事件はコンピューターシステムのトラブル事故だと思う。最初、開発者の泉博士はさまざまなシミュレーションをこのスーパーコンピューターに入力して研究をしていたのではないか。そして、研究の一つとして、世界征服の夢をデータ入力した。データ入力の打ち間違いか、たぶんシミュレーションが大暴走を起こしてしまったのだろう。
 おそらく、人類とコンピューターとの生死を賭けたチキンレースのように超人サイバーはプログラミングされていたのだろう。そしてそれがいつの間にか現実の事件となってしまった。コンピューターの変調に気づかなかった泉博士は逆に超人サイバーの手下となってしまったのだ。


 テレビゲームでもゲームが進行していくと複雑になり、主人公たちが自分の意思で勝手に動き出したと錯覚してしまう場合がある。現実世界とシミュレーションの世界の垣根がなくなってしまうということだ。しかし、主人公たちは理解して行動しているのではないのだろうか。
 専門家に聞いたところ、超人サイバーのようなスーパーコンピューターがシミュレーションを行っていると、人間には現実にサイバーがものを考え行動しているようにしか見えない。それは8マンにも見破れなかったように、人間にはまったく不可能であるという。
 超人サイバーはあるプログラミングされた事実を正確に遂行しようとして、恐ろしい結果となってしまう。
 近い将来インターネットの普及とともに我々の現実世界でもこのようなトラブルが発生するかもしれない。


 
 この本は2002年に出版されました。すでに15年が経過しています。
 解説の部分では泉博士がシミュレーションとして世界征服のデータ入力をしたがシステムトラブルで暴走したとありますが、ちょっとニュアンスとしては弱いのではないかと思います。泉博士がこの回の原作者の感情移入としてコンピューターが世界を征服してもおかしくない。いやむしろ征服してくれという思想も垣間見られるのではないかと思います。




             (参考:JTB出版)






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