昭和レトロな赤坂の思い出

昭和レトロな思い出を書きます。主に赤坂中心ですが、東京近郊にわたると思います。
趣味の話も書くつもりです。

一ツ木通りの古本屋

 一ツ木通りの青山通り寄りに古本屋がありました。縁日の日は父が本を見ている間、読書に縁のない母は幼いぼくをだっこして道で待っていたそうです。子どもがぐずることも考慮したのでしょう。

 小学校低学年になると、店先に積んである少年マガジンを買ったりしていました。発売日数日遅れですから、10円ぐらい安くなります。30~40円がぼくの懐具合にちょうどよい感じでした。それでも一応、母に今週は別冊付きだから特大号だからと説得しておこづかいをもらいます。

 5年生のころ学校の図書室で江戸川乱歩の「大金塊」を夢中で読みました。それがきっかけで古本屋の店の中ほどにあった探偵小説を手に取るようになりました。乱歩は「影男」とか「緑衣の鬼」とかに夢中になりました。影男の闘人の場面では影男が美女に変装して現われます。その挿絵も素晴らしい。甲賀三郎の「姿なき怪盗」も謎のヤギ髭老人が出てきたり獅子内探偵が颯爽とスクーターに乗る場面もありました。「黒い天使」というタイトルだったかうろ覚えですが、大人の雰囲気漂う探偵小説もありました。海野十三の「少年探偵長」には初っ端からヘリコプターが登場します。ドイルやルブランも読んだ記憶があります。

 古本屋は昔の住居表示だと赤坂新町です。現在は赤坂3丁目です。

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