「赤坂の姉妹より 夜の肌」詳細 ①
以前映画「赤坂の姉妹より 夜の肌」について触れましたが、もう少し詳しく書きます。
昭和35年当時の赤坂の見事なカラーの実写が見られます。原作は由紀しげ子の『赤坂の姉妹』です。国会議事堂前に花を手向けるシーンはこの年60年安保闘争で亡くなった樺美智子への川島雄三監督の思いがあるらしいです。
山王下、日枝神社、豊川稲荷、氷川神社、料亭街、芸者、人力車、溜池の自動車屋、TBS社屋ビル建築前の工事現場(どういうわけかテレビ東京として登場します。12チャンネルが昭和35年創業ということかもしれません)、一ツ木の縁日風景、角のイズミヤの店舗、四方酒店、タイヤ屋など、とにかく昭和35年そのままの街並みが見られます。
これだけで十分この映画を見る価値はあります。というかこここそ見るべきところです。すでに昭和39年の東京オリンピックの話題は出てきます。
赤坂見附の立体交差の映像は出てこないのでまだ着工していないのか、基礎工事ぐらいだったのかもしれないです。
主演は淡島千景で、他の出演は新珠三千代、伊藤雄之助、フランキー堺、三橋達也、山岡久乃、久慈あさみ、露口茂、蜷川幸雄などです。
淡島と新珠は姉妹役、そのまた末の妹が安保闘争の若い女性は無名の女優です。実写と見まごうデモのシーンもあります。
内容は水商売のママに取り入る政治家や実業家、反体制的な学者、若者が同じ領域を共有しているという設定です。本屋のK堂の並びあたりから山王下の鳥居が見える、その通りは何度か登場します。
縁日の風景は一と六の日いずれかに撮影を行なったと推測できます。