昭和レトロな赤坂の思い出

昭和レトロな思い出を書きます。主に赤坂中心ですが、東京近郊にわたると思います。
趣味の話も書くつもりです。

江戸川乱歩と名曲喫茶「ライオン」

 昭和53年に江戸川乱歩の大人向けを読んでみようと思い「陰獣」を読みました。だいたい電車の中が多かったです。この「陰獣」は角川文庫のものです。


 続いて「孤島の鬼」を読んだと思います。並行して安部公房も読みました。「壁」とか「他人の顔」とかです。あと推理物をいくつか読みました。これらは電車内です。



 渋谷に出かけると「旭屋書店」に寄って、あれは地下2階だったと思いますが、角川文庫の乱歩を物色して、今日はこれにしよう、あれにしようと書き出しを読んで買っていました。
 お腹が空いている時は立ち食いそばなんかで腹ごしらえして道玄坂を上ります。「ライオン」のなるべく集中できるように2階に陣取って乱歩を読みました。照明が暗いので目を凝らして読まなければいけません。
 でも「ライオン」で乱歩を読んでいる時が一番解放感が得られる時間でした。乱歩物なら容易に世界に入っていけます。「ライオン」のコーヒーの香りと古い建築の独特の湿気と匂いが相まって乱歩の世界を演出してくれます。


 旭屋書店でけっこう時間をかけて選んでいました。当時文庫で420円か460円かそんなわずかな差も気になるぐらい高く感じ買う時の判断基準になりました。
 角川文庫の乱歩は20冊です。全部読むのに5年もかかってしまいました。読み終わったのは昭和58年でした。その間、マルキ・ド・サド、バタイユなども並行して読みました。
 あと団塊世代のMさんに薦められたマルクス関連、トロツキー、それと自分の好みでショーペンハウアーとかも読みました。


 それから禅のバグワン・シュリ・ラジニーシの本も読みました。書店で平積みされていたので何となく手に取ってみたのがきっかけです。

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