昭和レトロな赤坂の思い出

昭和レトロな思い出を書きます。主に赤坂中心ですが、東京近郊にわたると思います。
趣味の話も書くつもりです。

カメラマン

 昭和54年ごろだと思います。カメラマンをやりました。ギャラはもらえますが、アマチュアでもできる仕事です。結婚式の挙式、披露宴をずーっと廻ってスナップ撮影するのです。36枚撮りフィルムをだいたい3本撮ります。
 注文してくれるかどうか判らない状態で、撮るだけ撮ってネガのベタ焼きを送ります。もちろん撮影前に許可は取るのですが、挙式当日のてんやわんやの中、親族に撮影の許可を得ます。焼きつけ注文は希望の場合のみと断りを入れます。ですがベタ焼きを見せられると焼き増しや引き伸ばしの注文をしたくなるのが常です。


 カメラは自前が基本ですが、事務所に借りる場合もあったようです。ぼくはニコマートに35ミリレンズを付けてストロボも自前でした。フィルムは事務所に取りに行ったか立て替えたか忘れましたけど、実費はもらえたと思います。
 当時は色がよいとされるASA100の、コダックだったと思いますが、ネガカラーフィルムを使ってストロボを焚くのです。金屏風の前では反射があるのでそれをキャッチして光量が減るらしく、一絞り開けました。
 普段はシャッタースピード125で絞りは5.6ぐらいでした。金屏風の前だと4ぐらいにします。それでも遠い被写体の場合シャッタースピードを60に下げた記憶があります。


 つまりほとんど固定ですからアマチュアでもOKなわけです。ピントは35ミリレンズだとそんなに神経質にならなくて済んだと思います。シャッターチャンスは一応決められていて後は個人の判断ですね。どの角度から撮ればベストかは経験です。


 挙式は神式が多く、神殿の中ですから笙、篳篥とか吹いている人のすぐ脇に立って撮ります。三三九度とか固めのさかずきとかシャッターチャンスを捉えます。ホテルの神主さんはバイトだったらしく上は立派な装束でも下からジーパンが見えたことがありました。
 披露宴は入場、ケーキカット、来賓のあいさつ、お色直し、キャンドルサービス、余興、花束などだいたい順番はありますが、たまにスライドショーなど突発的な展開がある時は自前の腕が試されます。ストロボをひねって客に光を当てレンズはスクリーンのほうに向けます。シャッタースピード60にして絞り4か2.8ぐらいですか、露出オーバーでも後で何とかなるのでそうしていました。
 新郎新婦のキスの場面は望遠を持っていないと対応できません。なるべく前のほうへ進んで撮らなければいけません。言い出しっぺの司会者などがカメラをお持ちの方前へ進んでください、とか時間稼ぎしてくれると助かります。
 初めから注文が決まっている場合は4本撮ったり、カメラマン二人で撮って良いほうのカットをつなぎ合わせます。


 この仕事はきつかったです。ホテルには写真室が入っていましたから、まずそこにあいさつに行かねばなりません。あちらはスタジオですしこちらはスナップですからぶつかることはないのですが、あちらとしたら撮影させてやってるという意識が働きます。
 カメラマンにもよりますが、3500円~5000円が結婚式一本のギャラです。

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