昭和レトロな赤坂の思い出

昭和レトロな思い出を書きます。主に赤坂中心ですが、東京近郊にわたると思います。
趣味の話も書くつもりです。

池袋 文芸坐 文芸地下

 昭和50年前後、池袋の文芸坐か文芸地下で大島渚の「日本の夜と霧」を見ました。サークルで知り合ったOと見たのです。ネット上には80年つまり昭和55年に再上映とありますが、70年代に見たのは確実です。あのころ何度も上映したのだと思います。
 映画の中で渡辺文雄や戸浦六宏、津川雅彦、佐藤慶とかが討論していました。渡辺か戸浦が何かしゃべると館内で爆笑の渦が沸きます。瞬間的にぼくは隣りの席のOの顔を見ました。Oはポーカーフェイスで姿勢も乱れず見続けます。
 この映画は昭和35年封切で60年安保に関係するんだなぐらいは思いました。が、討論の中身までは入っていけません。ぼくも一応二十歳過ぎでしたし70年代なので一丁前に柴田翔の「されどわれらが日々」は読んでいましたが、何のことやら判らない。幼稚園のときに議事堂前でデモがあるから早引けだ、得したぐらいの記憶しかありませんでした。Oはぼくより3歳上ですから60年安保はともかく70年安保は見過ごせなかったと思います。
 どうやらその実60年安保とは違う意味があったようですね。ここでは深く突っ込みませんが、機会があったらもう一度DVDか何かで見てみようと思います。
 会場内で爆笑の渦が沸いたのも、嘲笑だったのか笑うことで価値を見出そうとしていたのか判りません。皮肉にも歌舞伎の掛け声のようにも聞こえました。いずれにしても70年代半ばにして懐かしさを見るための上映会であったように思えます。

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