「赤坂をどり」⑥
藤間流「お祭り」清元連中
言わずと知れしお祭りの 形(なり)もすっかりそこら中 ゆき届かせて こぶもなく ここでは一つあそでは 頭々(かしらかしら)と立てられて 御機嫌じゃのと町内の 家主方も夕日影 風も嬉しく戻り道
ヤア引けや引け引け引くものにとりては 花に霞よ子(ね)の日の小松 初会の盃 なじみの煙草盆
おしゃらく娘の袖袂(たもと) 嬶(かかあ)の履物 内裏(だいり)女郎のお召し物 座頭の褌(まわし) 菖蒲(あやめ)に大根 御神木(ごしんぼく)の しめ縄や またも引く物は色々ござる湯元細工のけん玉ぶりぶりそさまゆえなら心のたけをしめし参らせ候(そろ)べくの 人形筆売りこの首を 長く出したり縮めたり 何とのろいじゃあるまいか