芸能一家
父の従姉弟は一言でいえば芸能一家でした。父は文学青年でしたが、全然タイプの違う従姉弟が何人もいました。ぼくからは遠い伯母、叔父、叔母に当たります。
長女A子さんは戦後キャバレー回りの歌手でした。子どものころは勉強ができて尋常小学校のころ、戦前ですが、作文が新聞に載ったそうです。どこで知り合ったかインテリの旦那さんと一緒になり生涯愛し合う仲でした。
Iさん(次男:長男は夭折)の奥さんM子さんはカラオケ教室の先生。
Iさんの妹次女M子さんはプロのジャズトランぺッターでした。この人はマネージャーと結婚しました。昭和32年ごろ、多摩川べりで行われたジャズのビッグバンドの生演奏を見に行ったことがあります。
三女E子さんは日劇のダンシングチームの一員でした。この人もプロモーター兼マネージャーと結婚しました。
四女S子さんは看護婦でしたが、宴会などでダンスを披露して大うけだったそうです。この人の旦那さんはクラブ歌手でした。
末っ子のKさんはギタリストとしてステージに上がったこともありましたが、のちに有名企業の製作部門に勤めました。
みんな個性的で学校は出ていませんが、頭の回転が速くIQが高そうな人ばかりです。